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感染症対策EU、新型コロナのワクチン確保に向け緊急基金で開発・生産支援も
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5月13日、欧州連合(EU)の欧州委員会は、新型コロナウイルス感染症のワクチン不足を防ぐため、24億ユーロ(26億ドル)規模の緊急基金をワクチン開発・生産支援に充てる可能性があることがロイターが確認した内部文書で分かった。英医薬品製造受託(CDMO)のコブラ・バイオロジクスで4月30日撮影(2020年 ロイター/Carl Recine)
欧州連合(EU)の欧州委員会は、新型コロナウイルス感染症のワクチン不足を防ぐため、24億ユーロ(26億ドル)規模の緊急基金をワクチン開発・生産支援に充てる可能性があることがロイターが確認した内部文書で分かった。
現在、新型コロナのワクチンは90種以上が開発中で、うち8種は臨床試験段階にある。だが専門家は、完成したワクチンの大量生産は開発と同じくらい難しい可能性があると警告する。
文書によると、欧州委はEUが生産能力を強化し、ワクチンを最も必要とする人から接種を行う計画を立てるべきと考えている。
欧州委のキリアキデス委員(保健衛生担当)はEUの緊急支援基金(ESI)を活用し、欧州でのワクチン生産能力の強化、製薬会社への賠償責任保険の提供に充てることを検討しているという。
また、新型コロナ感染症の治療・研究にもESIの資金が充てられる可能性がある。
ESIには現在、24億ユーロ近い資金があり、新型コロナ流行を受け、すでに約3億ユーロがマスク調達や医療体制の強化に使われている。
欧州委の報道官はロイターに対し、「EU全市民にワクチンを行き渡らせるためにESIをどう活用すべきか検討している」と語った。
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