トランプ「WHO拠出金停止」、習近平「高笑い」――アフターコロナの世界新秩序を狙う中国
特に注目すべきは、今般問題になっているWHOは事務局長のテドロスだけではなく「●WHO(世界保健機関)事務局長補佐:任明輝(2016年1月~)」にあるように、事務局長補佐の一人は中国人自身なのだ。WHOは中国によって牛耳られていると言っても過言ではない。
WHOへの拠出金の最大の国は圧倒的にアメリカで、現状ではイギリス、ドイツ、日本、カナダ、ノルウェイと続き、その次にようやく中国が来る。
しかしコロナ後中国はさらにWHOに別枠で献金しているし、今後も拠出金を増やしていくことだろう。アメリカさえいなくなれば、要職や拠出金を増やし中国が発言権を強化させていくであろうことは言を俟(ま)たない。
ポスト・コロナの新時代秩序
前項で列挙した人々は当然、全員「中国共産党員」である。
中国建国の父・毛沢東の「世界赤化」の夢は、着実に実現しつつあるのだ。
建国以来(実際には1950年10月1日に改編)、天安門の城壁に掲げてあるスローガンを見ていただきたい(これは建国70周年記念パレードにおける動画なので、冒頭の一コマだけをご確認いただければ十分だが、敢えて静止画像にリンクしなかったのは、今もあることを確認して頂きたいからである)。
一つは「中華人民共和国万歳」だが、もう一つは「世界人民大団結万歳」だ。「世界人民大団結」は何を意味しているかというと「世界を中国共産主義化していくこと」、つまり「世界赤化」である。
今は共産主義を信奉する中国人民はほとんどいないので、習近平はマルクス主義から始まり「初心に戻れ」を中心として如何に共産主義が素晴らしいかを教育しているが、要は「共産主義の衣を着た中国という国家」が世界制覇をすればいいと思っているのである。
そのために中国人を要職に就けるだけでなく、これまでのコラムで何度も触れてきたようにWHO事務局長以外に、国連のグテーレス事務総長(詳細は2017年12月6日コラム<国連事務次長訪朝の背後に中国か?>)、IMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事(詳細は3月23日の<背後に千億円の対中コロナ支援:中露首脳電話会談>)など国連の要職を親中派で固め、国連そのものを中国が乗っ取ろうとしていることは明らかだ。