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新型コロナウイルス

その薬大丈夫? トランプ推奨する未認証マラリヤ薬投与拡大、医療現場「効果は不透明」

2020年4月7日(火)16時07分

集中治療室から生還

一方、新型コロナ感染症で一時、集中治療室に入ったニューヨーク在住のデビッド・ラットさん(44)は、ヒドロキシクロロキン、アジスロマイシン、クラザキズマブ、カレトラを投与され、病状が劇的に回復し、集中治療室を出た。

ラットさんによると「医者は何が回復につながったのかまだ結論を出していない」という。

ただ一部の医師は、ヒドロキシクロロキンの投与を推奨している。

仏マルセイユの研究チームによると、新型コロナ感染症の軽症患者80人にヒドロキシクロロキンとアジスロマイシンを投与した結果、8日後には93%の患者でウイルスが検出されなかった。

中国の臨床試験でも、まだ初期段階だが、まちまちの結果が報告されている。

臨床試験は規模が小さいケースや、薬を投与していない患者との比較が行われていないケースも多く、ヒドロキシクロロキンの効果はまだ実証されていない。

現在進められている治療法が有効と証明されるには数週間から数カ月かかるとみられている。

[ニューヨーク/ロサンゼルス 7日 ロイター]


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