未曾有の危機には米政府の「景気刺激策」では不十分
IS $2 TRILLION TOO LITTLE, TOO LATE?
G7の財務省・中央銀行総裁は3月24日にテレビ会議を行い、共同声明を発表。新型コロナウイルスが人々の健康と経済に及ぼす影響を抑えるために「協力して大胆な国内および国際政策を進める」と誓った。20カ国・地域(G20)首脳会議も26日、世界経済に5兆ドルを供給すると発表。だがトランプは経済対策であれ感染症対策であれ、連邦政府が多額のカネを出すことに難色を示す。
それとは対照的に「デンマークは最も明確な措置を取った」と、スティグリッツは言う。「企業に対し、不要な人員は働かせなくてもいいし一時解雇してもいいが、給与は払え、その分は政府が持つ、と言った」
未曽有の経済活動の停止に対しては未曽有の対処が必要だと、ニューヨーク大学のローレンス・ホワイト教授も言う。大恐慌は4年がかりで経済を壊滅させたが、今回は数週間のペースだ。「政府が流動性であれ融資であれ、必要なものを何でも提供することだ」と、ホワイトは力説する。「現状では(米経済が)V字回復して、コロナ危機の終了を宣言できるとはとても思えない」
<本誌2020年4月7日号「コロナ危機後の世界経済」特集より>
【参考記事】「世界最多の新型コロナ感染者数」それでもアメリカの覇権が続く理由
【参考記事】中国経済は本当に世界を「V字回復」へと導けるのか?
2020年4月7日号(3月31日発売)は「コロナ危機後の世界経済」特集。パンデミックで激変する世界経済/識者7人が予想するパンデミック後の世界/「医療崩壊」欧州の教訓など。新型コロナウイルス関連記事を多数掲載。