最新記事

インド

新型コロナウイルス、あまりに不潔で感染者も逃げ出すインドの隔離施設

In India, People Are Fleeing Quarantine Facilities.

2020年3月19日(木)16時22分
ハナ・オズボーン

一家はようやくレアを隔離施設から助け出し、私立病院に入れることができた。看護師が毎日検温し、症状を見守っているが、今のところ健康だ。隔離施設の実態はよく知られていないだけで、当局者が知れば、改善策が取られるはずだ、と母親は言う。

インド保健・家族福祉省が3月18日に発表した声明によると、政府はCOVID-19の感染封じ込めと管理に関連のある病院などの施設の実態調査に乗り出す意向だ。

声明によれば、ハーシュ・バルダン保健相は「空港その他の乗り継ぎ場所も含め、渡航者の検疫施設の状況を詳細にわたって聞き」、快適な環境の提供を担保すべく、対策チームに定期的な立ち入り検査を指示したという。「保健相は改善のために今後も毎日報告書に目を通す考えだ」と、声明は述べている。

レアの母親はインドではCOVID-19の感染は広がらないと楽観視している。実際、インド政府の感染対策を高く評価する声は少なくない。世界保健機関(WHO)のインド代表ヘンク・ベケダムはニューヨーク・タイムズに、「インドの対策には目を見張った。インド政府はそもそもの初めから(中国で起きたことを)非常に重大視していた」と述べた。

一方で厳しい見方もある。保健政策の技術的な諮問機関である「国立保健システム・リソース・センター」の責任者だったT・スンダラマンは、インドの医療システムでは大規模な感染症の流行にはとても対応できない、と地元メディアに語った。

「好運にも危機がわが国を通り過ぎてくれたから、壊滅的な事態を避けられただけだ。イタリアのような感染拡大がインドで起きていたら、公立病院に患者が殺到し、未曾有の大惨事になっていた」

20200324issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月24日号(3月17日発売)は「観光業の呪い」特集。世界的な新型コロナ禍で浮き彫りになった、過度なインバウンド依存が地元にもたらすリスクとは? ほかに地下鉄サリン25年のルポ(森達也)、新型コロナ各国情勢など。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国が報復措置、全ての米国製品に34%の追加関税 

ビジネス

台湾、米関税対応で87億米ドルの支援策 貿易金融な

ビジネス

世界食料価格、3月前年比+6.9% 植物油が大幅上

ビジネス

EUは米国の関税に報復すべきではない=仏財務相
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描かれていた?
  • 3
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 6
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のため…
  • 7
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 8
    テスラが陥った深刻な販売不振...積極プロモも空振り…
  • 9
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 10
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中