新型コロナウイルス、あまりに不潔で感染者も逃げ出すインドの隔離施設
In India, People Are Fleeing Quarantine Facilities.
Pic 1 + 2: Food served to isolated person suspected with #coronavirus at #KasturbaHospital in #Mumbai, #Maharashtra. Pic courtesy @pkmittal
— Suresh Mathew (@Suresh_Mathew_) March 17, 2020
Pic 3: Food served to isolated #coronavirus patients in #Kalamaserry Medical College, Cochin, #Kerala. Pic courtesy @dhanyarajendran. Why? pic.twitter.com/G8JWPVJotZ
一家はようやくレアを隔離施設から助け出し、私立病院に入れることができた。看護師が毎日検温し、症状を見守っているが、今のところ健康だ。隔離施設の実態はよく知られていないだけで、当局者が知れば、改善策が取られるはずだ、と母親は言う。
インド保健・家族福祉省が3月18日に発表した声明によると、政府はCOVID-19の感染封じ込めと管理に関連のある病院などの施設の実態調査に乗り出す意向だ。
声明によれば、ハーシュ・バルダン保健相は「空港その他の乗り継ぎ場所も含め、渡航者の検疫施設の状況を詳細にわたって聞き」、快適な環境の提供を担保すべく、対策チームに定期的な立ち入り検査を指示したという。「保健相は改善のために今後も毎日報告書に目を通す考えだ」と、声明は述べている。
レアの母親はインドではCOVID-19の感染は広がらないと楽観視している。実際、インド政府の感染対策を高く評価する声は少なくない。世界保健機関(WHO)のインド代表ヘンク・ベケダムはニューヨーク・タイムズに、「インドの対策には目を見張った。インド政府はそもそもの初めから(中国で起きたことを)非常に重大視していた」と述べた。
一方で厳しい見方もある。保健政策の技術的な諮問機関である「国立保健システム・リソース・センター」の責任者だったT・スンダラマンは、インドの医療システムでは大規模な感染症の流行にはとても対応できない、と地元メディアに語った。
「好運にも危機がわが国を通り過ぎてくれたから、壊滅的な事態を避けられただけだ。イタリアのような感染拡大がインドで起きていたら、公立病院に患者が殺到し、未曾有の大惨事になっていた」
2020年3月24日号(3月17日発売)は「観光業の呪い」特集。世界的な新型コロナ禍で浮き彫りになった、過度なインバウンド依存が地元にもたらすリスクとは? ほかに地下鉄サリン25年のルポ(森達也)、新型コロナ各国情勢など。