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香港香港デモ最盛期、中国人民武装警察が現場で監視していた
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香港で昨年、反政府デモが激化した際、香港警察とともに中国人民武装警察(武警、PAP)がデモの現場で状況を監視していたことが関係者の話で明らかになった。写真は昨年12月に行われた反政府デモ(2020年 ロイター/Navesh Chitrakar)
香港で昨年、反政府デモが激化した際、香港警察とともに中国人民武装警察(武警、PAP)がデモの現場で状況を監視していたことが関係者の話で明らかになった。
PAPは人民解放軍とは別組織で、本土の騒乱防止や治安維持向けの部隊。香港への展開はこれまで公にされていない。一部の法律専門家や政治家は、香港の自治に関する法律に違反するのではないかとの懸念を示している。
民主派のベテラン議員ジェームス・トー氏はロイターに「香港の警察が抗議デモの最中に中国の治安部隊を前線に連れて行ったことを知っている。監視目的だったようだ」とし、香港に駐在するPAPが治安部隊に含まれていたと信じる理由があると述べた。
また、ある外国の外交官も匿名を条件に、PAPが香港警察とともに反政府デモの現場にいたと証言した。
中国国防省はロイターに対し、PAPは香港には駐在していないとコメント。香港警察も「本土の法執行機関の関係者がそうした訪問や視察を行ったことはないと強調する」と述べた。
ただ前出の外交官と3人の外国政府関係者は、抗議デモへの治安部隊の対応を精査した上で、中国が香港のPAP部隊を最大4000人に増強したと推定。4000人は、これまでの推定規模を大幅に上回っている。
ロイターは昨年9月、中国政府が香港に駐留部隊を秘密裏に2倍以上に増やしていると報じていた。
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