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北朝鮮新型コロナウイルスに厳戒態勢の北朝鮮 中国との国境封鎖で強硬措置、銃撃も
中国当局は、北朝鮮国境近くの住民に対して国境に近づかないよう警告文を配布している。写真は2017年11月、北朝鮮の新義州と中国の丹東の間を流れる鴨綠江で撮影(2020年 ロイター/Damir Sagolj)
中国当局は、北朝鮮国境近くの住民に対して国境に近づかないよう警告文を配布している。北朝鮮が新型コロナウイルスの流入を恐れて中国側からの越境を禁止しており、北朝鮮国境警備隊が銃撃してくる可能性があるというのだ。
地元住民によると、警告は今週、印刷物で出回った。友好関係にある中国と北朝鮮の国境は1400キロにも及び、冬には国境沿いを流れる鴨緑江が凍結、往来が可能になる。
警告書を受け取った住民3人によると、中国・吉林省の集安と白山の住民は、国境に近づき過ぎると銃撃される危険があると伝えられた。ロイターが書面を確認した。集安のレストランオーナーは「国境地帯に近づき過ぎれば殺されるかもしれないと言われた」と話した。
今週の書面によると、住民は魚釣りや家畜の放牧、鴨緑江近くへのごみ捨ても禁じられている。北朝鮮が新型ウイルスの危機評価を最高レベルに引き上げており、中国政府に対し市民が銃撃されて死亡することがないよう国境管理を厳しくするよう要請したという内容だ。
中国当局は警告書で「公安当局は国境を毎日24時間監視し、見つかれば誰であろうと当局に拘束される」としている。
集安の宣伝当局者はロイターの電話取材に対して、国境管理当局がこうした警告を出したことを認めた。この当局者は、こうしたメッセージの文言は一部地域では行き過ぎている可能性もあると語った。
ロイターは、白山市当局者からの確認はできなかった。他地域でもこうした通知が出されたかどうかは不明。中国外務省はコメント要請に応じていない。
世界的に孤立し、経済的に困窮する北朝鮮は2014年のエボラ出血熱など世界的な感染症流行に際して、厳しい入国禁止措置を取ってきた。
北朝鮮では今回、新型ウイルスの感染を報告していないが、専門家は、ここ数週間で取られた措置は過去の事例をしのいでいると話す。北朝鮮は新型ウイルス感染の震源地である中国との渡航と交易をただちに制限した。
ロイターの報道によると、北朝鮮は1月に旅行代理店に対し、中国との国境を封鎖すると伝えた。北朝鮮の数少ない対外収入の一つを遮断したことになる。国境近くで働く消息筋によると、両国間の貿易は公式、非公式を問わずほとんどが影響を受けている。
中国経由での脱北を支援している活動家らによると、もともと危険が高かった脱出行は国境封鎖でほぼ不可能になったという。
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