サンダースがネバダで圧勝 米民主党指名争いの現状分析
バイデン氏:サウスカロライナが勝敗の分かれ目に
バイデン前副大統領にとって、ラスベガスの夜の党員集会は勢力回復のカンフル剤となった。開票の早い段階で同氏がサンダース氏に続いて2位につけたことがわかると、「thecomeback kid (失敗からよみがえった者)」という声が人々から上がった。
ほんの少し前まで、ネバダでの投票ではバイデン氏が最も優位に立つとみられていた。実際にはサンダース氏に及ばなかったものの、アイオワとニューハンプシャーの結果が期待とはかけ離れていただけに、同氏にとってネバダでの健闘は選挙戦の立ち直りを宣言するに値する成果だった。特に黒人層からは36%の支持を確保し、サンダース氏の27%とは明確な差がついた。
いま、大統領候補としての指名に向け、バイデン氏はおそらくもっとも重大な1週間に直面している。アフリカ系が多いサウスカロライナで勝つことができなければ、同氏にとって、他の候補者と同様、最終的にサンダース氏の指名を阻止できない可能性がさらに高まるだろう。
ブティジェッジ氏:支持層広がらなければ失速も
前インディアナ州サウスベンド市長のブティジェッジ氏は今回もサプライズをもたらした。ネバダ党員集会で示した3位という強さは、今後も同氏が指名争いにとどまることを意味する。しかし、候補者としての主張がさらに広い層に響かなければ、指名獲得への勢いは限られるかもしれない。
同氏は白人で高学歴の穏健層からは引き続き強い支持を受けている。ただし、非白人層ではまだまだ水面下だ。調査によるとラテン系の支持は9%、黒人層に至ってはわずか2%にとどまっている。
これは黒人層などが多いサウスカロライナでの投票を占ううえで、厳しい結果だ。さらにカリフォルニアやテキサスなどのスーパーチューズデー各州では、同氏が苦しい戦いを強いられる可能性もある。