サンダースがネバダで圧勝 米民主党指名争いの現状分析
米民主党のネバダ州党員集会でサンダース米上院議員が手にした大きな勝利は、同氏の選挙活動が一段と勢いを増し、これまで同氏を敬遠していた層にまで支持が広がっている状況を示した。写真は勝利演説するサンダース氏、22日テキサス州で撮影(2020年 ロイター/Mike Segar)
米民主党のネバダ州党員集会でサンダース米上院議員が手にした大きな勝利は、同氏の選挙活動が一段と勢いを増し、これまで同氏を敬遠していた層にまで支持が広がっている状況を示した。11月の米大統領選挙に向け、同氏が民主党候補としての指名を獲得する道筋が、少なくとも現時点では、より明確になったと言える。
自他ともに認める民主社会主義者であるサンダース氏の圧勝を目の当たりにした他の候補は、同氏の勢いをどうそぐのか、それぞれの力を競い合うことになる。1週間後の29日にはサウスカロライナ州での予備選があり、その先には指名争いの先行きを決定付ける3月3日のスーパーチューズデーが控えている。
今後、民主党の各候補はどのような選挙戦を展開するのか。各候補の状況と課題を分析する。
サンダース氏:年齢や性別、人種超え支持層が拡大
サンダース氏はこれまでもネバダ州で優勢に立つとみられてきたが、その期待以上に、同氏を支持する人々の結束は広がっている。
調査会社のエディソン・リサーチが行ったネバダ党員集会での調査によると、サンダース氏はラテン系の支持で他の候補者を圧倒し、黒人党員についてはバイデン氏に次ぐ支持を得た。65歳以下でもトップの候補者であり、男女を問わず、カレッジ卒業者や学位のない人々からも最大の支持を受けた。
政党から独立していると考える選挙民にとってサンダース氏はもっとも選択しやすい候補者だった。そして、おそらく同氏の選挙戦にとって最も重要なことだが、11月の大統領選でトランプ氏撃破を最大目的にしている人々は、サンダース氏をバイデン氏よりも好ましい候補者と考えている。
サンダース氏にはすべてが良いニュースとなっている。もしサウスカロライナでサプライズとなる勝利をもぎ取ることができれば、同氏は波に乗ったままスーパーチューズデーを迎えることになるだろう。