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アカデミー受賞に沸いた韓国映画界に新型コロナが打撃 ファンは感染パニック映画を自宅観賞

2020年2月23日(日)21時35分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

自宅でパンデミック系映画を観るのが人気?

韓国映画振興委員会の統計によると、大規模感染の起こった20日の全国観客動員数は、前日19日より約6万3千人減少している。また、1月の観客動員数は1684万人で7年ぶりの最低値となった。前年度の1月の動員数から7.1%(128万人)も減少している。

集客が見込める週末の全国映画館動員数も、1月最終週末(1/31~2/2)は約111万人。2月第1週目週末(2/7~9日)は104万人と、2015年の中東呼吸器症候群(MERS)の拡散がニュースとなった週末(6/5~7日)の155万人よりも落ち込む数字となってしまった。この結果を受け、韓国映画振興委員会は全国の映画館を対象にハンドクリーナー5000個の配布を行っている。

一方、映画館に行かなくなった韓国国民は、家で映画を楽しめるネット配信で映画を視聴しているようだ。特に感染系大規模感染映画の視聴率が急増し注目を集めている。2013年公開の韓国映画『FLU 運命の36時間』は、今回の大規模感染と重なる部分があるとSNSでも話題となり、ここ数週間で再生数が64倍増加した。

また、『オーシャンズ』シリーズで有名なスティーヴン・ソダーバーグ監督が2011年に制作した映画『コンテイジョン』は、咳症状からはじまり、当初は風邪のような症状から2日後に意識不明の重体になるなど、今回のコロナウイルスに似ていると話題となっている。こちらは、なんと視聴回数が1000倍も増加し、今現在も再生回数は伸びている。『パラサイト』でさえ、アカデミー賞受賞後700倍だったが、それをはるかに超える視聴の増加である。

ただの興味なのか、それとも予防対策を見出そうとしているのか? 現実社会でもこの大規模感染が一刻も早く終息し、映画のようにハッピーエンディングを迎えることを願っている。

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