中国監視網の実力発揮? ウイルス感染者をチェックできる官製アプリにアクセス1億件!
China's Coronavirus App Uses Mass Surveillance to Track Citizen Infections
アプリはユーザーが感染者(またはその疑いがある人)と一緒に仕事をしたか、生活をしたか、同じ交通機関を使ったか、などを2週間前まで遡って調べてくれる「便利で効率的な」ツール(衛生当局)だ。サウスチャイナ・モーニングポスト紙によれば、これまでの検索件数は1億件以上にのぼるという。
新華社通信によれば、エアコン付きの列車では同じ車両にいた全ての乗客が「濃厚接触」をしたと見なされる。航空機の場合は、感染者の前後3列以内にいた人がそれに該当する。
アプリの説明ページには、「新型コロナウイルスは複雑な感染症であり、検索結果はあくまで参考にすぎません。自分の健康状態に細心の注意を払ってください」と書かれている。「ウイルスに関連のある症状が出た場合には、専門の医療機関で受診してください」
さらにこうも書かれている。「アプリを使用する際には、データ利用の安全性に留意し、関連する法律や規則を遵守してください。また本ツールが提供するデータを使って、他人の評判を貶めたり、プライバシーを侵害したりすることは禁止します」
便利だが、それだけ恐ろしいツールでもあるということだ。
(翻訳:森美歩)
<参考記事>14億人を格付けする中国の「社会信用システム」本格始動へ準備
<参考記事>中国の社会信用システム、「マナーの悪い飼い主は犬を没収」の恐怖
2020年2月18日号(2月12日発売)は「新型肺炎:どこまで広がるのか」特集。「起きるべくして起きた」被害拡大を防ぐための「処方箋」は? 悲劇を繰り返す中国共産党、厳戒態勢下にある北京の現状、漢方・ワクチンという「対策」......総力レポート。