「37.5度以上はオフィス入室禁止」 日本企業もウイルス感染対策に本腰へ
新型コロナウイルスによる肺炎の感染が国内で広がりを見せる中、日本企業の対策が本格化してきた。都内で14日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)
新型コロナウイルスによる肺炎の感染が国内で広がりを見せる中、日本企業の対策が本格化してきた。テレワークによる在宅勤務やフレックスタイムでの時差出勤などで人混みを避ける手法が主流だが、サーモグラフィーで計測した来客の体温が一定以上の場合、オフィスへの入室を控えるよう要請する徹底した企業もある。
エレベーターのボタン消毒
体温37.5度――。GMOインターネットが設けたオフィスへの入室基準だ。手洗いやうがいの奨励、消毒薬の設置だけでなく、各拠点の受付にサーモグラフィーを置き、基準を超えた来訪客は別に用意した体温計で検温する。なお基準値以上なら、「大変申し訳ないが、お引き取り願う」(同社)という。 さらに、マスクを着けていない来客には着用を要請、エレベーターのボタンは1時間ごとに消毒する。
GMOは1月27日、新型肺炎対策として東京・大阪・福岡の従業員約4000人を対象にいち早く在宅勤務を導入した。国内従業員の約9割に当たる。金融系サービスで法令に対応したり、取引先のセキュリティー上の都合でネットを介したやり取りができないケース、郵便物の受け取り・発送など人の手を介さないといけない場合には「出社を認めている」(同社)という。
国内に20万人の従業員を抱えるNTTも、グループ各社にテレワークや時差出勤の取り組みを強化するよう呼びかけた。具体的な対象者は各社が判断するが、総務や経理といった間接部門の社員が中心となりそうだ。
金融業界では三菱UFJ銀行が国内外を問わず不要不急の出張を控えるほか、香港を含む中国全土への渡航を禁止している。必要に応じ、在宅勤務や時差通勤も推奨している。野村証券は17日、一部を除く本支店でのセミナー開催の中止を決めた。1月15日以降、中国から帰国した社員は14日間出社せず在宅勤務という体制をとっている。