新型コロナウイルス死者、過去最多の1日108人 中国、春節明けも企業活動厳しく
中国当局は11日、すでに発表した金利引き下げや財政出動に加え、雇用安定に向けた措置を打ち出すと表明した。
世界銀行のマルパス総裁は10日、新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、中国の対応を支援するため、公衆衛生面などにおける技術的な援助を行っていることを明らかにした上で、同国向けの新たな融資は検討していないと述べた。
中国の政府系シンクタンク、国家金融・発展実験室(NIFD)の幹部は、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大は同国の2020年国内総生産(GDP)成長率を最大で1%ポイント押し下げる可能性があるとの見方を示した。
JPモルガンのアナリストはリポートで「新型コロナウイルスの感染拡大は中国経済のダイナミクスを完全に変えた」と指摘し、第1・四半期の成長見通しを再び下方修正した。
中国国家発展改革委員会の当局者は11日、国内のマスク工場は生産能力の76%で稼働しているとし、増産には労働者の職場復帰が重要との見方を示した。そのうえで、マスクメーカーが直面している資金繰りや原材料調達の問題は国が解決すると述べた。マスクの輸入を強化する考えも示した。
米で新たな感染者
英航空会社ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は中国本土への航空便の運航を3月末まで停止すると発表。フィリピンでは、政府が外国人対象の中国からの入国禁止措置を台湾に広げたことを受け、国内航空各社が台湾行きの便を欠航にした。
タイは11日、米カーニバル傘下ホーランド・アメリカのクルーズ船「ウエステルダム号」について、乗客の下船を禁止したと発表した。乗客の感染は確認されていない。ウエステルダム号は日本やフィリピンなどでも入港を拒否された。
米国では13人目の感染がカリフォルニア州で確認された。米疾病対策センター(CDC)が10日明らかにしたところによると、感染が確認されたのは、ウイルスの発生源とされる中国湖北省武漢市から退避し、カリフォルニア州の米軍基地で強制隔離されていた成人。武漢から退避した約800人の米国人で感染が確認されたのは今回が初めて。
*内容を追加しました。
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