トランプがイラン司令官殺害を決断した理由は、石油と経済
IT’S THE ECONOMICS, STUPID
イラン政府を縛るのは物価高だけではない。GDPの減少も軍事費の増大を阻む。今やイランは巨額の財政赤字にあえいでいるが、国債発行で赤字を埋める手は使えない。イラン国債の購入も米政府の制裁対象となっているからだ。
イラン革命防衛隊はマフィア並みに密輸など違法行為で資金稼ぎをしているが、この手法で資金流入を大幅に増やすのは無理な相談だ。
ソレイマニ殺害に至ったトランプの決断と作戦の詳細は今後もう少し明らかになり、今以上に多様な臆測が飛び交うだろう。だがトランプが決断した理由は既に明らかだ。
3人の大統領が同じ作戦を検討し、そのうち1人は他の2人とは違う状況下にいて、2人とは違う結論を出した。なぜか。聞くまでもない。要は経済だ、愚か者!
<2020年1月21日号「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集より>
【参考記事】米イラン対立、それでも報復が実行される理由
【参考記事】米イラン戦争が現実になる日
2020年1月21日号(1月15日発売)は「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集。ソレイマニ司令官殺害で極限まで高まった米・イランの緊張。武力衝突に拡大する可能性はあるのか? 次の展開を読む。