最新記事

飲酒運転

アルコール呼気チェックしないとエンジンがかからない装置の義務化が進む

2020年1月9日(木)17時39分
モーゲンスタン陽子

最新免許書状況はオンラインでもチェック可能

IID取り付け義務があるにもかかわらず、装置のない車両を運転した場合はどうなるのか。まず、1度目の違反で3ヶ月の免許停止と1,500カナダドルの罰金および30日以上の車両押収、2度目の違反で2年以上の免許停止と90日間の車両押収および服役の可能性、3度目で生涯の免許制限となる。

IID生涯取り付け義務のある運転者に、そうとは知らず車両を貸した場合でも、その車両が押収されるので、注意が必要。他人に車を貸す場合は免許証の確認が必須だ。該当の運転者の免許証はマークされるが、ハードコピーの免許証では最新ステイタスがわからない場合もあるため、ケベック州自動車保険委員会SAAQはオンラインで最新状況をチェックできる有料サービスも提供している。

ケベック州交通省によると、2013年から2017年、ケベック州での飲酒関連による交通事故の死亡者は年間平均約100人、重傷220 人、軽傷1,800人という。これに加えて犠牲者の遺族や友人など、目に見えない被害者は膨大だ。カナダ全国と同様、以前より減少傾向にあるとはいえ、これでもまだ 多すぎる。

ケベック州ではほかに、いくつかの地方で警察とバーが協力し、2人以上の同伴者を伴うグループでドライバー役を務めることになっている人には、仲間が飲んだのと同じ杯数のアルコールフリーの飲物を無料提供するプログラムなどを実施し、州をあげて飲酒運転撲滅に取り組んでいる。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中