最新記事

感染症

中国、新型コロナウイルス死者132人・感染者5974人に WHO専門家チーム派遣受け入れ

2020年1月29日(水)12時40分

中国国家衛生健康委員会は、湖北省武漢市を震源とする新型コロナウイルスによる肺炎で、国内の死者は28日時点で132人となり、感染者は5974人に増加したと発表した。写真は28日、北京の地下鉄に乗る市民(2020年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)

中国国家衛生健康委員会は29日、湖北省武漢市を発生源とする新型コロナウイルスによる肺炎について、国内の死者は28日時点で26人増え132人となったと発表した。

感染者は1459人増え5974人となった。政府は新型肺炎の封じ込めに自信を示しているが、感染の勢いは衰える様子がみられない。

死亡したのはほぼ全員、湖北省の患者。

新型肺炎の感染は中国国外にも広がっており、10以上の国や地域で感染が報告されている。中国以外では死者は出ていない。しかし、ドイツ、ベトナム、台湾、日本では人から人への感染が確認され、警戒感が強まっている。

米ホワイトハウスは28日、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大への対応を巡り、中国と米国を結ぶ航空便の運航停止は見送ることを決めた。事情に詳しい関係筋が明らかにした。

航空会社や政府の関係者らによると、トランプ政権は新型肺炎対策に関する会合後、航空各社にこの決定を伝えたという。

米政府は新型肺炎に関する会合を毎日開いており、幅広い選択肢を検討してきた。当局者2人は、保健統計に基づき必要があると判断した場合に航空便の運航を一時禁止するという選択肢も含まれており、現時点でどの選択肢も排除していないと述べた。

共和党のトム・コットン上院議員は27日に政権側に中国発米国行きの商業便を即座に運航停止にするよう求めていた。

米ユナイテッド航空などの航空会社は需要の減少を踏まえ、米国と中国を結ぶ便の一部を欠航にすると発表している。

中国の習近平国家主席は28日、訪中した世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長と会談し、新型コロナウイルスによる肺炎について国際協力の強化を表明すると同時に、WHOと国際社会の冷静で客観的な判断を信じていると語り、新型肺炎の封じ込めに自信を表明した。

WHOも同日、国際的な専門家のチームを「できるだけ早期に」派遣することに中国が合意したことを明らかにした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震の死者1000人超に、タイの崩壊ビル

ビジネス

中国・EUの通商トップが会談、公平な競争条件を協議

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 6
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 7
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 8
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 9
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中