インドネシアで新種の鳥、1度に10種も発見 19世紀の探検家がやり残した地域調査で成果
新種発見相次ぐ動植物の宝庫
また、インドネシアでは2018年にもジャワ島南部などの周辺深海海域で10種以上の新種海洋生物が発見されている。このときの発見の中心となったのはインドネシア科学院(LIPI)と今回の新種鳥類発見と同じシンガポール国立大学(NUS)の研究者たちだった。
ジャワ島南部のインド洋やジャワ島とスマトラ島の間にあるスンダ海峡などの深海で発見・確認されたのは緑色の目を持つヤドカリの仲間、光る目のエビ、細い棘(トゲ)状の甲羅のあるカニ、クモガニ科の新種3種(オレンジ色のカニ、目を保護するための大きな甲羅のあるカニ)などとなっている。
さらに世界的なニュースとなったのは2017年に確認された絶滅危惧種に指定されている人間に最も近い類人猿、オランウータンの新種だ。スマトラ島北部タパヌリ地方でこれまで確認されていたスマトラ・オランウータン、ボルネオ・オランウータンとは異なる新種のオランウータンが確認され、生息地域の地名をとって「タパヌリ・オランータン」と命名され、保護されている。
また、2010年4月にはインドネシア、マレーシア、ブルネイ3カ国があるボルネオ島(マレーシア名、インドネシア名はカリマンタン島)の中心部にある熱帯雨林地帯で123種の新種生物や植物が確認されたことを世界自然保護基金(WWF)が明らかにしている。
このときの発見は新種の植物67種、無脊椎動物29種、魚類17種、カエル5種、ヘビ3種にものぼり、2007年に3カ国が自然保護で合意した「ハート・オブ・ボルネオ宣言」に基づいたボルネオ島中心部約22万平方キロで実施した調査の成果だった。
インドネシアはこうした事例のように自然界での新種の発見が相次いでおり、まだまだ未知の生物、植物が多く存在する可能性が極めて高いことから研究者にとっては魅力の地とされている。