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イギリス保守党圧勝でイギリスが移民排斥に舵を切る?
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移民規制はヘイトクライムの増加に拍車をかけるかもしれない Mark Hawkins-Barcroft Media/GETTY IMAGES
<ジョンソンが目指すのは、イギリスへの移民の数を減らし単純労働者が永住するのを阻止すること>
12月12日にイギリス総選挙で圧勝したジョンソン首相は、移民排斥に向けて大きく舵を切るかもしれない。ジョンソンは選挙直前のインタビューで、「EUから大勢が押し掛け、イギリスを自国のように扱っている。国境に規制が全くないことが問題だ」と指摘。「移民を全力で食い止める」と宣言していた。
ジョンソンが提示した移民政策は、移民を「3つのカテゴリー」に分けるというもの。1つ目のカテゴリーは「並外れた能力」を持つ人々で、国内で働き口が決まっているか否かにかかわらず最優先で受け入れる。2つ目は特定技能を有する人々で、入国するには既に職が決まっている必要がある。3つ目は、労働力不足の分野で「単純労働」を担う人々。短期ビザを発給するが、定住することは認めない。
つまりジョンソンの目的は、移民の数を減らし、単純労働者が永住するのを阻止すること。EU離脱に向かうイギリスは、同時に移民に対して「壁」を築き始めるようだ。
<本誌2019年12月31日/2020年1月7日新年合併号掲載>
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