最新記事

温暖化対策

グレタ、COP25会場に先住民の若者らと登場 温暖化被害の実情訴え

2019年12月10日(火)09時16分

 12月9日、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(中央)は、COP25の会場に世界各地の先住民の若者らとともに登場した(2019年 ロイター/Juan Medina)

環境保護活動に取り組む若者の象徴的な存在となっているスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさんは9日、第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)の会場に世界各地の先住民の若者らとともに姿を現し、危機への対応を怠っている西側政府を改めて糾弾する姿勢を見せた。

米国や南米、オーストラリアなどの先住民は、近年新たにまとめられた化石燃料プロジェクトへの反対姿勢を強めており、グレタさんに触発された欧州の若手環境活動家と掲げる目標が一致しつつある。

この日グレタさんは米国やウガンダ、フィリピン、太平洋諸島といった地域からやって来た先住民の若者に大半の発言機会を譲り、言葉数は少なかった。それでも「彼らの権利は世界中で侵害され、彼らは気候と環境の緊急事態によって最も早く、最も大きく痛手を受けている」と訴えた。

先住民の活動家は、自分たちの共同体が排出する温室効果ガスはほぼゼロなのに、異常気象や野生生物の喪失という事態が直撃すると主張。米ミネソタ州で暮らす先住民のローズ・ウィップルさんは、伝統的なエコロジーの知識、精神性と現代科学を織り交ぜて問題解決につなげる必要があるとの考えを示した。

チリの活動家アンゲラ・バレンスエラさんは「各国が弱々しいコミットメントをお互いにほめあっているうちに、世界は文字通り燃え尽きようとしている」と述べ、もっと踏み込んだ温暖化対策を講じるよう促した。



[マドリード 9日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRBとECB利下げは今年3回、GDP下振れ ゴー

ワールド

ルペン氏に有罪判決、被選挙権停止で次期大統領選出馬

ビジネス

中国人民銀、アウトライトリバースレポで3月に800

ビジネス

独2月小売売上は予想超えも輸入価格が大幅上昇、消費
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 5
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 6
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中