ジョンソンの選挙公約には移民規制がてんこ盛り
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移民排斥にまっしぐらのジョンソン FRANK AUGSTEIN-POOL-REUTERS
<12日に実施される総選挙の公約に、移民への公的扶助の受給条件の厳格化など多くの移民規制を盛り込んだ英保守党>
ボリス・ジョンソン英首相は移民規制に本気のようだ。
与党・保守党は12月12日に行われる総選挙の公約として、移民が支払う国民保健サービス(NHS)利用料を1人当たり625ポンドに引き上げると発表した。現行制度ではEU市民には支払いが免除されているところ、公約ではEU市民にも等しく625ポンドを課すという。
イギリスのEU離脱を見据えた動きだが、現状はEU圏外からの移民の支払いは400ポンドであるため、移民全般に対して大幅な値上げとなる。ジョンソンは「国民はNHSを利用するため、巨額のカネを払っている。国内に住む全員がそうするのが公平だ」と地元紙に語った。
公約には、就労目的の移民はあらかじめ職が決まっていないと入国を認めないことや(高度な技術を持つ科学者や起業家など例外を除く)、移民の公的扶助の受給条件を厳格化することも含まれている。
こうした姿勢に、総選挙で国民はどのような審判を下すのだろうか。
<本誌2019年12月3日号掲載>
【参考記事】EUトゥスク大統領「ブレグジット後の英国は『二流国』に転落する」
【参考記事】「奥さんの胸はもっと大きくなる」ボリス・ジョンソン英首相迷言集
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