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南米チリ反政府デモ、20人以上の死者出し収束見えず ペソ最安値で経済に打撃
反政府デモが続くチリで12日、公務員が新たに全国的な大規模ストライキを実施する計画を表明した。政府が新憲法制定に応じたものの、事態収束のめどは立っていない。バルパライソで撮影(2019年 ロイター/Rodrigo Garrido)
3週間にわたる反政府デモが続くチリでは12日、公務員が全国規模の新たなストライキを表明するなど、収束する兆しが見えていない。通貨ペソが最安値を更新するなか、ブリオネス財務相は、通貨安が国内経済に大きな打撃を及ぼしていると指摘し、平常に戻るよう国民に呼びかけた。
抗議活動は時に暴徒化し、放火や略奪などに発展。これまでに少なくとも20人の死者が出ている。反政府デモの要求に屈する格好で、ブルメル内務相は10日、ピノチェト軍事政権時代に制定された憲法に代わる新たな憲法の草案を作成することで合意したと発表した。[nL4N27R4FR]
トラック運転手や他のデモ参加者はこの日、首都サンティアゴと港湾地域などをつなぐ少なくとも2つの主要高速道路にバリケードを設置し、交通渋滞や一部の地方議会の機能まひなどを引き起こしている。サンティアゴでは学校やビジネスの多くが閉鎖された。
ペソは12日、一時1ドル=800ペソを割り込んで下落した。10月中旬からは10%超下げている。
ブリオネス財務相は、ペソ安は懸念すべき兆候だと指摘し、ペソ相場を注視していると述べた。また、数週間におよぶストや抗議デモ、公共交通の混乱などで、経済に30億ドルの打撃が及んでいるとの見方を示した。
チリ中央銀行のマルセル総裁は声明を発表し、ペソ安にも関わらず、財政状況は引き続きしっかりとしているとの見方を示した。
中銀はデモの経済への影響を注視してきたとしたうえで、「国内の金融システムは健全で、(リスクへのエクスポージャーは低く)財政状況はしっかりとしている。外貨準備と政府系ファンドは適切な水準を維持している。インフレ期待は3%で抑制されており、金融政策は状況に合わせて適切に運営されている」と説明した。
この日公表されたロイターのアナリストを対象にした調査によると、中銀は12月の会合で政策金利を1.5%に引き下げる見通し。5カ月後の政策金利は1.25%と予想されている。
消費者物価指数(CPI)は、11月は横ばい、12月は0.1%上昇が見込まれている。12月CPIは前年比2.7%上昇と、中銀目標をわずかに下回る見通し。
*内容を追加しました。
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