最新記事

イギリス

英国「連合王国」は10年後に存在せず!? 世論調査で半数が回答

2019年11月11日(月)14時23分

イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4地域から成る現在の英連合王国は10年後には存在していない可能性があるーー。写真はロンドンで8月撮影(2019年 ロイター/Toby Melville)

イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4地域から成る現在の英連合王国は10年後には存在していない可能性があるーー。10月下旬に英調査会社が実施した国内世論調査で、半数の回答者がこう予想した。2016年に欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の是非について国民投票を行った際、これら4地域の回答には格差があり、調査担当者は英国の将来について、国内世論の分裂が拡大している、と話している。

2016年に行われた欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の是非を問う国民投票では、スコットランドと北アイルランドが残留を支持する一方、イングランドとウェールズは離脱を支持、連合王国を形成する各地域間の隔たりが鮮明になった。


調査会社のイプソス・モリが10月25─28日、英国で18歳以上の1001人に面接形式で実施した調査によると、10年後には英国が現在の形では存在しないと思うとの回答者の比率が50%となり、2014年時点の43%から上昇。現在の形で存在すると思うとの回答は29%にとどまり、14年の45%から低下した。

さらに、5年後の予想でも現在の形が存在すると考えている回答者の割合は42%、存在しないと考えている回答者の割合は44%との結果が出た。

同社のマネジングディレクター、エミリー・グレー氏は、「2014年にスコットランドの独立の是非を問う住民投票を3ヵ月後に控えて英国の未来に関する論争が激しくなっていた当時より、英国の世論ははるかに大きく分裂している」と述べた。

ブレグジットの新たな期限となった1月31日に向け、スコットランドでは独立の是非を、北アイルランドではアイルランド共和国との統合の是非を問う住民投票を求める声が、それぞれ高まっている。スコットランドは2014年に独立の是非を問う住民投票を実施したが、反対55%、賛成45%で独立が否決されていた。

[ロンドン ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191119issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月19日号(11月12日発売)は「世界を操る政策集団 シンクタンク大研究」特集。政治・経済を動かすブレーンか、「頭でっかちのお飾り」か。シンクタンクの機能と実力を徹底検証し、米主要シンクタンクの人脈・金脈を明かす。地域別・分野別のシンクタンク・ランキングも。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

自動車大手、トランプ氏にEV税控除維持と自動運転促

ビジネス

米アポロ、後継者巡り火花 トランプ人事でCEOも離

ワールド

北朝鮮の金総書記、核戦争を警告 米が緊張激化と非難

ビジネス

NY外為市場=ドル1年超ぶり高値、ビットコイン10
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中