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ポピュリズムポーランド総選挙、右派ポピュリズムの与党「法と正義」が勝利
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ポーランドで13日に実施された総選挙は、下院(定数460)で右派ポピュリズム(大衆迎合主義)政党の与党「法と正義」が勝利した。写真は「法と正義」のカチンスキ党首。ワルシャワで13日撮影(2019年 ロイター/Kacper Pempel)
ポーランドで13日に実施された総選挙は、下院(定数460)で右派ポピュリズム(大衆迎合主義)政党の与党「法と正義」が勝利した。ただ、上院では過半数割れとなった。
選管当局の発表によると、法と正義の得票率は43.6%で、過半数を上回る235議席を確保した。得票率は4年前の前回選挙の37.6%から上昇した。
法と正義は、社会保障制度の拡充や抜本的な司法改革などを選挙公約に掲げていた。最終結果の発表を受けて、カチンスキ党首は「われわれが重要とみなす全ての政策は実現する」と表明した。
親欧州連合(EU)で穏健派の野党、市民プラットフォームなどの市民連合の得票率は27.4%で2位となり、134議席を確保した。
法と正義は、1989年の民主化の恩恵を受けていない有権者の不満を吸い上げて勝利した。同党は、企業や一部エリートに偏っている富を公平に分配すると表明した。
一方、同党を巡っては、メディアへの介入を強めているとの批判もある。市民プラットフォームのIzabela Leszczyna議員は「人々の意識は、法と正義の権威主義的な動きを阻止しようとする方向に向かっている」とコメントした。
投票率は61.7%で、1989年以降で最も高かった。
選管当局によると、上院(定数100)では、法と正義の議席が48議席にとどまり、過半数に届かなかった。
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