北京と香港が迎えた中国建国70周年、習近平は「人類共通の未来」を語った
China’s Show for the World
ドナルド・トランプ米大統領も理解を示す1人。9月の国連総会では「未来は、国民を守り、隣国を敬い、各国の違いを尊重し、主権と独立を守る国々にある」と述べた。中国政府高官の発言かと間違えそうな主張だ。
トランプは経済面では中国批判を繰り返すが、事あるごとに習を称賛している。しかも権威主義だが褒めるというのではなく、「権威主義だからこそ」褒める。どうやらトランプは、アジアであれば、権威主義的な体制でも構わないらしい。
国家主権にこだわり、人権には無関心だが国境の問題には激しく反応する点で、トランプと習は似ている。根本的には似た世界観を持つ2人が率いる全く対照的な2つの超大国に、世界が仕切られているのは何という時代の皮肉だろう。
©2019 The Slate Group
<本誌2019年10月15日号掲載>
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