今の地球のCO2濃度は、人類史上例のない人体実験レベル
Humans Have Never Lived in CO2 Concentrations Seen in Earth’s Atmosphere Today
CO2の濃度を計測する現代の技術はこの数十年内にできたばかりなので、科学者はしばしば過去の年代の氷の核を分析して大気中のCO2の濃度を算出する。
しかしチャンによると、氷の核が残っているのは80万年前くらいまでで、それ以前の環境を推測するためには工夫が必要だ。中国内陸の黄土高原では、土壌に含まれた古代の炭酸を分析した。黄土高原では2200万年前の粉塵が確認されている。
この分析により、更新世全体のCO2濃度を再現することが可能になった。その数値は、これまでの氷の核の分析を裏付けるものだった。
人類はどう適応するのか
「われわれの研究によって、更新世全体のCO2濃度は平均で250ppm前後だったことがわかった。これは過去80万年と同じ濃度だ」とチャンは述べている。
ヒト属の初期の一種ホモ・ハビリスは240万年前頃に登場した。ホモ・エレクトスは数十万年後に登場した。また現在の人類にあたるホモ・サピエンスは約47万年前頃にアフリカで誕生した。
チャンによれば、これらのヒト属はCO2濃度が低い環境で進化してきた。現代の人類のように高濃度のCO2さらされた人間がどう反応するかは未知数だ。
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