輸出規制に揺れる韓国サムスン、半導体の映画を公開 白地に赤い幽霊の意味は?
日本の輸出規制で製造に影響が出るとも言われるサムスン電子のスマートフォン「Galaxy」 Dado Ruvic - REUTERS
<国民ひとり当たりの映画鑑賞本数が日本の3倍という「映画大国」韓国。日本の輸出規制で苦境に立つ企業にも、短編映画の支援など行っているが──>
韓国で映画の仕事にかかわっていると、企業と映画との結びつきの強さを実感する。また、それが必ずしも一般的な商業映画だけではなく、短編映画にも関心が向けられていることに驚き、羨ましくもある。
例えば韓国で化粧品業界トップ企業のアモーレパシフィックは、「ミジャンセン短編映画祭」を第1回から支援し続け今年で18年目になる。この映画祭は韓国の短編映画文化の発展に大きく貢献していることでも有名だ。
実際、「毎年ミジャンセン短編映画祭に応募される作品数と、韓国で今年制作された短編映画の作品数は同じだ」と言われるくらい短編映画監督らはこの映画祭に出品する確率が高く、製作者たちの間で広く浸透しているのである。今年は6月末から開催され、1184作品の応募作品の中から20:1の狭き門を通過し選ばれた59作品が上映された。また、上映館もただの公共ホールや小規模映画館などではなく、韓国シネコン映画館チェーン第1位であるCGVで行われている。
このように、アモーレパシフィックは映画祭を支援することによって、短編映画の製作者同士を切磋琢磨させて、短編映画自体の質を向上させている。さらに、それまで一般人にはなじみが薄かった短編映画を広く認知させるのに一役買っているのである。
その他にも、韓国の航空会社アシアナは「アシアナ国際短編映画祭」を2003年から開催している。こちらは韓国を代表するベテラン映画俳優アン・ソンギがフェスティバルディレクターを務め、コンペティション部門では賞金が出るのはもちろん、「In the Air Program」で選定された映画は、アシアナ航空の国際便および一部の国内線で機内上映されるという航空会社らしい特典もついている。もしかすると、海外出張中のプロデューサーの目に留まり長編商業映画デビューに繋がる......というのも夢ではないかもしれない。
ちなみに、今年の制定作品は2020年1月から6月までの半年間、アシアナ航空機で上映される予定だ。もしもアシアナ機に乗る機会があればぜひチェックしてみてほしい。未来の大監督の初期作品を観られるかもしれない。