中国から「つらい...!」京アニ
京都アニメーション第1スタジオの放火現場に捧げられた花やカード(7月19日)Kim Kyung-Hoon-REUTERS
18日、中国の若者から「つらい...!」というメッセージが入った。京都アニメーション火災に関してだ。CCTV、人民網、環球網、新華網など中共中央と政府系列だけでなく、解放日報までが報道している。なぜ?
北京から「つらい...!」とメッセージ
18日、スマホのメッセージ着信音がせわしく鳴り続けた。
何ごとかと思えば、「つらい...!」という文字が見えた。
『中国動漫新人類』(2008年)を出版するときに取材した北京の若者からだ(動漫は動画と漫画の意味)。
「まさか、あの京アニが、こんなことになるなんて...」
「あんまりです、受け入れられません」
スマホの画面には京都アニメーション第1スタジオの見取り図も貼り付けてあり、「こんな部屋では逃げようがないですよ...」という悲鳴のようなものまで書いている。彼は熱烈な日本アニメのファンだ。
中国最大のSNSであるウェイボー(微博、wei-bo)からの着信音はさらに激しさを増し、「京アニは私の宝だった」、「悲しくて、どうしていいのか分からない」、「京アニは私の青春のすべてだった。私の青春を返せ!」など、どこもかしこも京都アニメーション(京アニ)の悲劇を嘆く声に満ち満ちていた。
CCTV、人民網、環球網、解放日報までが
驚くべきは中国共産党を宣伝するために存在する中央テレビ局CCTVや、中国共産党機関紙「人民日報」電子版、その姉妹版の環球網、そして1941年に毛沢東が延安で創刊した当時の中共中央委員会機関紙だった解放日報(のちに中国共産党上海市委員会へ移管)などが大きく報じていることだ。
たとえばCCTVは18日の12時のニュースで報じており、さらに午後2時台も夕方および夜のニュースでも、繰り返し報道した。CCTVが報道した最初の番組にうまくリンクできないのだが、北京時間18日12時14分から更新し続けていることを報道しているリンク先をご覧いただきたい。「央視」の簡体字は「中央電視台(CCTV)」の略である。出典が「央視新聞(ニュース)」と書いてある。CCTVからの転載だ。CCTVは毎時間のニュースで情報を更新し、19日の昼のニュースの時点でも、まだ更新を続けている。
7月18日20:54時点における人民網は、すでに死者が33人に達したことを報じている。環球網は7月18日 13:14 における報道だ。早くから報道していることがわかる。
「解放日報」も紙面で大きく取り上げている。国際面ではあるものの、日本の参院選のニュースの次に大きく扱っている。