1カ月シャワーなし飲み水はトイレから 人権蹂躙するトランプ移民政策の実態
飲み水はトイレから
7月1日にエルパソの施設を訪問した連邦議員団は、移民たちが劣悪な環境の中収容されていると訴えた。
一行は視察前に携帯電話を預けるよう命じられたが、民主党のホアキン・カストロ下院議員が機器を持ち込み、部屋に詰め込まれた女性たちの動画を撮影した。
一部は50日間拘束されており、子どもと引き離された人たちもいた。15日間もシャワーを浴びていなかったり、必要な薬を与えられていない人もいたという。
民主党のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員は、移民がトイレから水を飲むように言われていると批判した。
これに対し、ホワイトハウスのギドリー報道官はFOXビジネス・ネットワークのインタビューで「オカシオコルテス氏が何を言っているのか分からない」と述べ、CBP職員は「地球上で最も勇敢な類の人々だ」と主張。「彼らは日々命を危険にさらしている。不法滞在者に1日3食と2回の軽食を与えている」と反論した。
トランプ氏は、2020年大統領選挙での再選に向け、不法移民対策を国内政策の柱に掲げている。しかし、当初の目標だった国境の壁は議会の承認を得られず、不法移民から子どもを隔離する政策が国民の怒りを呼び、「ゼロ寛容」政策からの転換を余儀なくされた。
ニューヨークでは2日、トランプ政権の移民への対応を非難するデモが行われ、数百人が参加した。今後は連邦議員らをターゲットとした、全国規模のデモが予定されている。
トランプ政権が今後、すでに入国している不法移民の一斉検挙に踏み切ることへの恐怖も、デモの原因となった。トランプ大統領は先月、一斉検挙を2週間延期すると発表している。
中米からの移民の流れは、5月をピークに急激に減った。米国の関税を回避するため、メキシコ政府が移民対策を強化し、武装した警官数千人を投入して警備に当たらせたためだ。
(翻訳:宗えりか、編集:久保信博)
[ワシントン/ニューヨーク ロイター]
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