抵抗なければ合意? 相次ぐ性犯罪「無罪判決」に法改正求める切実な声
被害者が成人の場合にも同様の基準を求める動きは、えん罪が増加する懸念が指摘されていることもあり、成功していない。しかし、そうした懸念には根拠がないと指摘する声もある。訴追することの社会的、心理的、そして法的な壁は極めて高いからだ。
村田弁護士は、「同意していないという証拠が必要ということは変わらないため、えん罪は増えないだろう」と語った。
刑法見直し要望について、山下貴司法相は5月、衆議院の法務委員会で「実態把握に努める」と語ったが、期日については触れなかった。
「『暴行または脅迫を用いて』(という部分)、これを全てなくすことがどういう効果をもたらすのか慎重に検討しなければならない」と、山下法相は答弁した。
2017年の改正刑法には、施行後3年の見直しが盛り込まれている。改正を訴える活動家らは、現在の世論がさらなる改正への後押しとなることを期待している。
自民党の一部議員らの関心も高く、「性暴力のない社会の実現を目指す議員連盟」も設立された。
「スプリング」のメンバーで、強姦未遂の被害者である伊藤千紘さん(29)は、「本当に信じられない、ありえないような判決だと思った」と述べたうえで、同団体にとっては良い変化もあったと語った。
「常識的に考えておかしいよねという市民感覚での考え方、まともな反応が社会に広がってきた。社会での議論が始まるきっかけになり、改革につながればいいと思う」
(翻訳:宗えりか、編集:山口香子)
[東京 ロイター]
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