米イラン戦争が始まったら、海上戦ではイランの勝ち?
5月半ば、アーカンソー州選出の共和党上院議員トム・コットンは、アメリカはイランに「2撃」で勝てると語った。「第1撃と仕上げの1撃」で十分だ、と。こうした楽観論はイランの国土面積はイラクの3.8倍と広大で、中東で最大の兵力とミサイル保有量を誇り、イランのシーア派思想に共鳴する過激派が中東全域に無数に存在していることを無視している。
トランプ米大統領とイランの高官たちは、どちらも戦争したいわけではないと主張している。それでも、トランプ政権は核合意離脱を1年前に決めており、イラン政府はアメリカとのさらなる外交協議に懐疑的になっている。5月半ばの国家安全保障会議で、シャナハン米国防長官代行は、イランに対する攻撃と反撃の選択肢を提示してみせたという。軍事演習で得た「教訓」を思い出し、自国の軍事力を過信しなければいいのだが。
<本誌2019年6月11日号掲載>
※6月11日号(6月4日発売)は「天安門事件30年:変わる中国、消せない記憶」特集。人民解放軍が人民を虐殺した悪夢から30年。アメリカに迫る大国となった中国は、これからどこへ向かうのか。独裁中国を待つ「落とし穴」をレポートする。
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