米中貿易戦争の激化で米中合作ドラマも中止
U.S. Actors Feeling the Threat
中国政府はつい最近まで、韓国の俳優・歌手などの入国や韓国製品の輸入を強く規制していた。それは韓国が16年7月に在韓米軍によるTHAAD(高高度防衛ミサイル)の配備を決定したことへの報復と考えられていたし、中国政府の当局者も、それが報復の一環であることを半ば認めている。
現在のところ、非公式の「出禁」措置の影響を被る在中国のアメリカ人俳優は少数だが、貿易戦争が悪化すれば、アメリカの映画業界も排斥の対象になるかもしれない。中国はハリウッドにとって最大級の市場だ。
せっせと反日作品の制作に励んできた中国のプロデューサーたちは数年前に、国家新聞出版広電総局の検閲官が「娯楽性を重視し過ぎた」戦争ドラマの規制を始めると知らされた。昨年、放映されて高い視聴率を挙げた無難な歴史ドラマ『延禧攻略』『如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃』も、「社会に悪影響」を与える恐れがあるとの理由で放映禁止に追い込まれた。
中国で働く外国籍の芸能人は、当局が朝令暮改で懲罰的な規制を設けることにうんざりしている。そろそろ、もっと役者に優しい国に活動の舞台を移したほうがよさそうだ。
<本誌2019年06月04日号掲載>
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