持続可能な医療社会へ、高度な分析で貢献するエンサイスリサーチセンター
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エンサイス株式会社 エンサイスリサーチセンター センター長デビッシュ・シン氏
<医薬品産業の生産性向上を目指し、医薬品卸が中心となって設立されたエンサイス株式会社。エンサイスが集約し製薬企業などに提供しているデータをさまざまな視点から分析し、インサイトの提供、定期的公開レポートを通じた啓発活動を行っているのが、同社のエンサイスリサーチセンター(ERC)だ。ERCのセンター長を務めるデビッシュ・シン氏に、ERCの役割とこれまでの実績、日本のヘルスケア市場の将来的な展望などについて伺った。>
海外での豊富な経験を踏まえ日本のエンサイスへ
エンサイスは医薬品卸企業19社が共同で設立した企業である。日本において年間10兆円規模の医療用医薬品データを集約し、データベース化して製薬企業などに提供している。
そんなエンサイスがERCを2015年に立ち上げる際、センター長に就任したのがデビッシュ・シン氏だ。シン氏は「かつてアメリカを中心として医薬品産業のアナリストとして8年ほど働いていました。主に日本の医薬品市場を分析し、製薬企業にアドバイスをする立場でしたので、共同体としてのエンサイスの理念とデータを通じたアプローチは、大変魅力的に思いました。」と振り返る。アメリカ以外では、インドで薬剤師免許を取得、ドイツではMBAを取得し、それぞれの国でも働いた経験があり、グローバルな視野を持ち合わせていたことが高く評価された。
医療用医薬品の情報をデータベース化して提供するエンサイスが、ERCを立ち上げた目的は、集約したデータを分析することで医薬品産業のトレンドを把握し、インサイト(洞察)を提供すること。さらに、将来どういった方向に進むのかを予測し、持続可能な医療社会を構築していく一端を担うことだ。
エンサイスリサーチセンターの役割
ERCは提供する情報のカテゴリーとして、「医薬品産業のトラッキング及びテーラーメイドなリサーチ」と「社会や制度への貢献」の2つを挙げている。前者に関して、シン氏は「エンサイス本体が提供するデータは、その迅速性が大きな特長ですが、ERCとしては、1カ月、3カ月、半年、1年といった期間でトレンドを把握し、提供していくという役割がひとつあります」と説明する。こうした情報の一部は、エンサイスのウェブサイトに「スナップショットデータ」として公開されている。
集約された情報を深く分析し、隠れたビジネスチャンスを発見していくこともERCの大きな役割だという。「データの特徴的なところを把握し、そのリサーチをさらに深めて、他社が行なっていないような研究を行っています。そういうところに商業的なポイントが隠れているので、そうしたポイントを見出し、提供していくことも業務の一環として行っています」。
現在取り組んでいる課題や、進行中のプロジェクトについても伺った。「一つの大きな課題は、医薬品の需要と供給のバランスの適正化です。患者さんにいかに早く自分の状態について気付いていただき、医師に診断していただき、正しい医薬品を正しいタイミングで正しい量を服薬していただくかを研究しています」。医療保険の効率的な運用の観点からも、医薬品の適正化の把握は今後ますます重要になってくるだろう。
「別のプロジェクトの例として、政府が地域包括ケアシステムを2025年までに構築することを目指していますが、この政策によってどのような影響が日本にもたらされるのかといったことも研究しているところです。社会一般のレベルで、また産業のレベルで、どのような影響がもたらされるのかを予測し、得られた知見を広く共有することを目標に進めています」。