EU懐疑派か単なる日和見か 英首相候補B.ジョンソンの変転するEU観
●2016年5月、EUが旧ナチス・ドイツに似ているとする理由について
「ナポレオンやヒトラーなど多数の人がこれを試みたが、悲劇に終わった。EUは、違うやり方で同じことを試みようとするものだ。だが根本的に欠けているものがあり、それが永遠の問題だ。それは、欧州という概念についての基本的な忠誠心の欠如だ」とデイリー・テレグラフに語った。
●2018年7月、メイ首相のブレグジット協定案について
「自ら経済的属国に成り下がろうとするものだ。一部の同僚議員は、失敗協定をいま結んでおいて、後でそれを破棄して再構築できると考えているようだが、まったくのナンセンスだ」と英議会に語った。
●今年3月、メイ氏の離脱協定案を消極的ながら支持する理由について
「われわれはいま、現実にある選択肢から選択をしなければならない。この協定案に賛成票を投じることは非常に辛いが、今後欠陥を修正できればと思う」とツイッターに投稿。
●2012年、ユーロについて
「ユーロは破壊的なプロジェクトだ。成長は硬化的なペースでもたつく。いずれ爆発するが、いつになるか賭けをする気はない」とトムソン・ロイター主催のニュースメーカーイベントで語った。
●英国はどのような関係を築くべきかについて
「単一市場のみでいいだろう。これはEUの偉大な成果だ。社会関連の部分や漁業政策などは、なくて一向に構わない」
●合意なしで離脱する「ハードブレグジット」を選択すべき理由について
「警告が暗く、人々を震え上がらせようする努力が組織的であればあるほど、(市民は)気に留めず、一層決意を固くしてきた。合意なき離脱、又は世界貿易機関(WTO)のルールに従うものが、人々が考える離脱に近いものだ」とデイリー・テレグラフ紙のコラムに記した。
●首相としてどのような離脱戦略を取るかについて
「私が首相になれば、合意があろうとなかろうと、10月31日に離脱が実現する」と今月発表したビデオで語った。
「最終的な合意ができる前に(EUに対する清算金の)小切手を全部書くと同意しなければならないのは、すごいことだとずっと考えていた。良い合意を得る上で、金銭は優秀な溶剤であり潤滑剤だ」と、今月英紙サンデー・タイムズに語った。
(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)
[ロンドン ロイター]
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