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次期イギリス首相を狙う11人の下馬評は

Who Will Replace Theresa May?

2019年6月15日(土)13時40分
ジョシュア・キーティング

■マーク・ハーパー(元障害者担当閣外相)
▼オッズ:100倍

離脱案協議中には閣僚ではなかった。14年に自宅で雇っていた家政婦のビザ問題が発覚して移民担当閣外相を辞任。その後、障害者担当閣外相を務めたが、在任期間は1年に満たない。

元会計士で、国民投票当時は残留支持派。合意なき離脱の可能性を排除していないが、10月31日以降への「短期間の延期」を求めるという。

10月末までに新協定をまとめる案は非現実的だと指摘。確かに非現実的だろうが、まだ誰もそんな話は聞きたくないだろう。

【離脱反対派】

■ローリー・スチュワート(国際開発相)
▼オッズ:25倍

イラクやアフガニスタンの旅行記がベストセラーになったイギリスの元外交官。今年5月に初めて閣僚に就任し、すぐに首相の座を狙って動き始めた。国民投票当時は残留派だったが、メイ首相のまとめた協定案に対して(時には過剰なほど)熱心な支持を表明した。

合意なき離脱には反対の立場で、そのためジョンソンの下では仕事はしないと語ったことがある。エキセントリックな若手候補としてSNSを駆使した運動で支持を集めているものの、現実的には勝ち目はなさそうだ。

■サム・ジマー(前大学・科学・研究・イノベーション担当閣外相)
▼オッズ:200倍

元投資銀行家。6月2日に出馬を表明したばかりで、国民投票の再実施支持を公言する唯一の候補。自身は残留に票を投じるという。

子供時代は主に両親の出身国であるガーナで過ごした。昨年11月にメイ首相の離脱案に反対して閣僚を辞任。党内では大半が国民投票の再実施に反対であり、その可能性を示唆しただけでメイが辞任を余儀なくされたことを思えば、ジマーの勝利も望み薄だろう。

首相選びのデッドラインは7月末。ポスト・メイの行方やいかに。

©2019 The Slate Group

<本誌2019年6月18日号掲載>

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