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財閥韓国・大韓航空、チョ・ヤンホ会長の取締役再任案を僅差で否決 「ナッツ事件」以降の不祥事響く

韓国の大韓航空が開催した株主総会で、趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長兼最高経営責任者(CEO)の取締役再任が否決された。写真は同CEO。ソウルで昨年5月撮影(2019年 ロイター/Kim Hong-Ji)
韓国の大韓航空が27日開催した株主総会で、趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長兼最高経営責任者(CEO)の取締役再任が否決された。
会社が提示した趙会長の取締役再任案に対する賛成票は64.1%で、承認に必要な3分の2にはわずかに届かなかった。
投票結果を受けて、大韓航空株は一時5.6%上昇した。親会社の韓進KALは9.4%高まで買われた。
大韓航空をめぐっては、2014年に趙会長の長女、趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏が、機内サービスのナッツの出し方に激怒して搭乗機をゲートに引き返させたことが問題となったほか、18年4月には二女の趙顕ミン(チョ・ヒョンミン)氏が会議の出席者に飲み物を投げつけたとして、非難を浴びた。
企業分析会社CEOスコアの代表Park Ju-gun氏は「きょうの結果は、『ナッツ事件』をはじめとする大韓航空の経営一族の不祥事が忘れられていないことを示している」と指摘。取締役でなくなっても趙会長の権限にはさほど影響しないものの、イメージダウンになることは確かで、今後、趙一族は行動に慎重を期すとの見方を示した。
大韓航空の第2位株主である公的年金基金の国民年金公団(NPS)は26日に、趙会長の取締役再任案に反対票を投じる方針を示していた。


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