米停戦案「現状のままでは受け入れ不可」=ロシア外務次官

ロシアのペスコフ大統領報道官は1日、ロシアは米国との対話を継続していると改めて表明した。写真は3月、在モスクワの米国大使館で撮影(2025年 ロイター/Yulia Morozova)
[モスクワ 1日 ロイター] - ロシアのリャプコフ外務次官は1日、ウクライナ戦争終結に向けた米国の提案は現状のままでは受け入れることができないとの認識を示した。ロシアが紛争の根本原因と考えている問題に対処していないためという。戦争終結に向け、米ロ間の協議が行き詰まっていることを示唆した。
ロシア側はこれまで米国が提示した30日間の停戦案について、ウクライナのアプローチのみを扱っているため、ロシアの利益を踏まえた再検討が必要との考えを示しており、現時点で双方の相違が埋められていないことも示された。
トランプ米大統領は3月30日、ロシアのプーチン大統領に「腹を立てている」と述べ、ウクライナ戦争終結に向けた自身の取り組みをロシアが妨害していると感じれば、ロシア産原油の買い手に25─50%の関税を課すと警告。その翌日、ロシアが協力しなければ二次関税を課すと改めて表明し、プーチン氏が「取引に応じると確認したい。そうすると思う」と述べた。
これについてリャプコフ氏は、1日掲載の雑誌インタビューで、ロシアはまだ合意を前進させることはできないと語った。国営メディアが報じた。
米国が提案した解決策を極めて真剣に受け止めているものの、「現状のまま全てを受け入れることはできない」と言明。その上で「われわれが見る限り、紛争の根本原因に関連する問題への対処が完全に欠如しており、この点を打開する必要がある」と述べた。
一方、ロシアのペスコフ大統領報道官は1日、記者団に対し、米国との対話を継続していると改めて表明。「われわれは米国との接触を続けている。ウクライナに関する問題の解決を巡り議論されている内容は極めて複雑で、多くの追加的な取り組みが必要になる」と述べた。
ロシアはまた、米が仲介したウクライナのエネルギー施設への攻撃停止措置に完全に従っているとした。
ラブロフ外相によると、ベロウソフ国防相がこの日、安全保障会議の席上でプーチン大統領にウクライナの違反行為の疑いについて報告した。その上で、ロシアは違反行為のリストをウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障担当)とルビオ国務長官に渡したという。