最新記事

動物

【動画】サメを虐待した金持ち息子に軽すぎる刑

Man in Viral Shark Video Given 10 Days in Jail

2019年3月1日(金)17時15分
ジェニ・フィンク

「これは拷問だ」と、フロリダの海洋研究所の所長は言った IBTimes UK/YOUTUBE

<男は、この犯罪行為を自慢気に拡散して捕まった>

サメを高速ボートで引きずり回し、ソーシャルメディアで動画を見たアメリカ人を激怒させた米フロリダ州のマイケル・ウェンゼル(22)が、10日間服役することになった。さらに11カ月の保護観察処分と、100時間の社会奉仕活動を命じられた。

「(ウェンゼルは)特権階級の息子だ」と、動物保護団体「フロリダ・ボイス・フォー・アニマル」のマリー・ガルブライスはタンパベイ・タイムズに語った。「こんな罰では軽すぎる。自分がやった事の重大さを全然わかっていないのだから」

問題の動画には、高速ボートの船尾から出た釣り糸にからまり海の上を引きずり回され、波間でもがき苦しむサメと、それを見て喜ぶウェンゼルとその友人たちが映っている。得意になったウェンゼルが、自らサメ釣りの名人などに動画を送り付けたため、たちまち悪名が広がった。

フロリダ州にあるモート海洋研究所のサメ研究センターのロバート・ヒューター所長は動画を見て、地元テレビ局WTSPにこう語った。「サメは、波に打ちつけられて息ができない。死まで拷問されたのと同じだ」「彼らに釣りをする権利などない」

動画が公開されると、フロリダ州魚類野生生物保護局が捜査に着手。広報のロブ・クレッパーはウェンゼルらの行為を非難した。生命に対する敬意を欠いた態度に「落胆し、動揺している」と、地元紙ブラデントン・ヘラルドに語った。

ウェンゼルは2017年末、動物に対する2つの加重虐待、第3級の動物虐待およびフロリダ州魚類野生生物保護局の規定に違反した罪などで起訴されている。司法取引で罪が軽くなった。

(翻訳:河原里香)

※3月5日号(2月26日発売)は「徹底解剖 アマゾン・エフェクト」特集。アマゾン・エフェクト(アマゾン効果)とは、アマゾンが引き起こす市場の混乱と変革のこと。今も広がり続けるその脅威を撤退解剖する。ベゾス経営とは何か。次の「犠牲者」はどこか。この怪物企業の規制は現実的なのか。「サバイバー」企業はどんな戦略を取っているのか。最強企業を分析し、最強企業に学ぶ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インタビュー:インドネシアLNG開発事業に生産能力

ワールド

中国が台湾批判、「半導体産業を米国に売り渡し」

ビジネス

中国、大手国有銀などに4000億元注入へ=BBG

ビジネス

アングル:米国債利回り上昇にブレーキ、成長懸念や利
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:破壊王マスク
特集:破壊王マスク
2025年3月 4日号(2/26発売)

「政府効率化省」トップとして米政府機関に大ナタ。イーロン・マスクは救世主か、破壊神か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほうがいい」と断言する金融商品
  • 2
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チームが発表【最新研究】
  • 3
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映像...嬉しそうな姿に感動する人が続出
  • 4
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 5
    「縛られて刃物で...」斬首されたキリスト教徒70人の…
  • 6
    日本人アーティストが大躍進...NYファッションショー…
  • 7
    見逃さないで...犬があなたを愛している「11のサイン…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    【クイズ】アメリカで2番目に「人口が多い」都市はど…
  • 10
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 5
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映…
  • 6
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中