737MAX墜落、運航停止措置を「歓迎」する航空会社も その理由は?
頭痛の種
737MAX8なしで当面乗り切ることができる航空会社にとっても、その代償は高くつくことになるだろう。
「運航停止により、フライトがキャンセルとなり、収益に影響が出る航空会社にとっては悩みの種だ」とストリックランド氏は言う。
3月は繁忙期ではないものの、一部の航空会社は打撃を受けている。フライト情報を提供する中国のアプリ「飛常准」によると、事故翌日の11日には国際便と国内便合わせて少なくとも29便がキャンセルされた。
だが、737MAX8機を使用する予定だった他の256便については他の機種に変更して運航された。
シンガポールのチャンギ国際空港は12日、中国山東省の省都、済南を発着する山東航空737MAX機のフライトがキャンセルされたが、他のフライトは航空機を変えて運航されたと明らかにした。
シンガポール航空、ライオン航空とガルーダ・インドネシア航空、そして国有の中国国際航空と中国東方航空、中国南方航空は、MAX以外のジェット機を大量に保有していると前出のアナリストは語る。
納入への影響は
エチオピア航空機墜落事故でより大きな影響が出るのは、今後の納入かもしれない。大韓航空などの航空会社が737MAX8機を比較的大量に発注しているからだと、 韓国シンヨン証券のシニアアナリスト、Um Kyung-a氏は指摘する。
「この半年以内に起きた2度の墜落事故の原因をボーイングが突き止めることができなければ、こうした航空会社にとって大きな頭痛の種となるかもしれない。そうなった場合、発注済みの737MAX8に代わる計画を打ち出す必要が出てくる」
ブラジルのゴル航空は、ボーイング737MAX8機を100機発注している。7機を運航していたが、11日に運航停止を決めた。
ゴル航空はボーイング737モデルのみを使用しており、新型の同MAX8機への移行を、今年後半にさらに11機リースすることで加速させると昨年12月に明らかにしていた。
737MAX機を13機所有するフライドバイは、737シリーズの旧モデルに変更するなど、旅客への混乱を最小限に抑えるためスケジュールを調整していると明らかにした。一方、フィジー・エアウェイズは所有する737MAX2機の運航停止に伴い、他の737モデルやエアバスのA330シリーズに変更するとしている。