最新記事
アメリカ政治米議会、与野党がメキシコ国境警備予算めぐり前年同額で合意 トランプだけが不満
トランプ米大統領(写真)は、国境警備を巡る与野党の原則合意に不満を表明しつつも、共和党議員の間から署名を促す声が高まる中、真っ向から退けることは避けた。ワシントンのホワイトハウスで撮影(2019年 ロイター/CARLOS BARRIA)
トランプ米大統領は12日、国境警備を巡る与野党の原則合意に不満を表明しつつも、共和党議員の間から署名を促す声が高まる中、真っ向から退けることは避けた。
国境警備費用を巡る与野党協議は前日、原則合意に達した。国境沿いに新たなフェンスを建設する予算13億7000万ドルが盛り込まれているが、規模は前年とほぼ同額で、トランプ大統領の要求する57億ドルのメキシコ国境の壁建設費用は盛り込まれていない。今年度予算が終了する9月末までの資金を手当てする。
トランプ大統領は記者団に対し「詳細に目を通す必要がある。満足していない」とし、基本合意を支持するかどうか決めていないと語った。
同時に「政府機関が再び閉鎖させることはないだろう」とし、政府閉鎖を想定しないことを示唆。ただ、「もし閉鎖に追い込まれることになれば、民主党の責任だ」とも述べた。
共和党側は、35日間に及んだ前回の政府機関一部閉鎖を巡り激しい批判を浴びたこともあり、政府機関の再閉鎖はどうにか回避したい考えで、トランプ大統領に基本合意を支持するよう促す声が多い。
共和党のマコネル上院院内総務はこの日、「与野党の基本合意に大統領が望む全ての項目が盛り込まれているわけではないが、正しい方向に向けた良好なステップと考える」とし、「大統領が署名することを望んでいる」と語った。同党のマッカーシー下院院内総務も基本合意に支持を表明した。
民主党の有力議員も与野党双方が歩み寄ったとし、基本合意に支持を表明。シューマー上院院内総務は「署名するよう大統領に強く促す」と述べた。
トランプ大統領はこれまでに、議会の承認なしに壁建設費用を確保するため、国家非常事態の宣言も辞さないと表明しているが、この日も「重要なのは壁であり、われわれは壁を建設する」と述べ、他の政府予算から資金を移し、建設費を確保する可能性があることをあらためて示唆した。
民主党議員によると、基本合意に基づく正式な予算案は13日までに用意される見通し。ただ、現在のつなぎ予算が失効する15日までに時間はさほど残されていない。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら