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アップル失速は中国経済減衰のせいなのか?

2019年2月8日(金)15時00分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

中国製のスマホは電池の容量が大きい割に重くはなく、1回の充電で140時間は使えるなど、多くの強みを持っている割に、価格は9位や10位のAppleの半額前後だ。上位に来ているのも当然だろう。

春節後の中国国内における売れ筋ランキング

春節に入った後の売れ筋ランキングを、同じくZOLで見てみた。 なぜなら中国人は春節には1年で一番大奮発をして欲しいものを買うからだ。

1.vivo NEX(デュアルスクリーン)¥4,998

2.OPPO R17Pro(6GB RAM)  ¥3,999

3.華為nova4(標準スペック)   ¥3,099

4.栄耀(Honor)V20(6GB RAM)¥2,999

5.一加(One Plus)6T(6GB RAM) ¥3,399

6.Apple(iPhone XS Max)   ¥9,599

7.華為 Mate20 Pro(6GB RAM)  ¥5,399

8.栄耀(Honor)8X(4GB RAM)  ¥1,399

9.OPPO Find X(標準スペック)   ¥4,999 

10.華為 Mate 20         ¥3,999

案の定、1、2、3位は互いに入れ替わりはあるものの、常に競争しているトップ3で占められている。トップ3社の内の一番高い価格のが1位に来て、次に高いのが2位、最も安い華為のnova4が3位という程度の違いだ。3社は甲乙つけがたい。

ハイスペックなCPU、高容量メモリ、高画質and/orポップアップ式カメラ、折り畳みアイディア(フォルダブル)、あるいはホールレス(防水機能を高める)など、中国メーカーは次々とこれまでにないモデルを生み出し、イノベーション競争を展開している。

このような中で、Appleはどうだろうか。

ただ「Apple」というブランド名のみに寄りかかって、イノベーションがない。

それでも一昔前までは「見栄」からAppleを買う者が多かった。成り金であればあるほどAppleをこれ見よがしに他人の目につくようなしぐさで使う。しかし最近ではそのような「田舎者」が少なくなって、本当に性能が良いものを購入するようになった。Appleを持っていることは決して「栄誉」なことではなくなったのだ。

しかし、それでもファンはまだいる。

だから春節前の3機種のAppleの内、春節に入った後にも残っているのは、むしろ一番高価な6位の「iPhone XS Max」であって、Appleの中で最も安い、春節前の6位であった「iPhone XR(¥5,699)」ではないのである。

これにより、Appleの値段が高いから買わなくなったわけではなく、高かろうが安かろうが、一部のAppleファンがわずかながらまだ残ってはいるというだけのことと見ていいだろう。

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