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ブレグジット英議会、合意なきEU離脱阻止に向け動き活発化 問題を議会管轄にする案が浮上
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1月23日、英国が条件などで合意しないまま欧州連合(EU)を離脱する事態を避けるために野党労働党の議員が提出した修正合意案について、同党の有力議員は、党として支持する構えを示した。写真はメディアに応える保守党のジェイコブ・リースモグ議員。ロンドンで撮影(2019年 ロイター/Toby Melville)
英国が条件などで合意しないまま欧州連合(EU)を離脱する事態を避けるために野党労働党の議員が提出した修正合意案について、同党の有力議員は23日、党として支持する構えを示した。与党保守党の一部議員は既に支持を表明しており、可決を目指す動きが活発化した。
修正案は労働党のクーパー議員が提出したもので、従来のルールを覆し、本来は政府に優先処理権限があるブレグジット(EU離脱)問題を議会の管轄にするという内容。
メイ内閣が2月26日までに議会で離脱案の承認を得られない場合、議会にはEUに離脱延長を要請するかどうかを決める権限が与えられるとしている。
労働党のナンバー2であるジョン・マクドネル議員は英BBCに対し、同修正案は妥当で、労働党が支持する「可能性が高い」と発言。保守党からは少なくとも9人が公式に支持を表明しており、可決される可能性がある。
ポンドは対ドルで10週間ぶりの高値である1.3079ドルに上昇。議会が離脱プロセスにおける権限を拡大できれば、「合意なき」離脱は回避されるとの見方を反映した。
一方、EU側の交渉を担うバルニエ首席交渉官は23日、合意なき離脱が既定路線となっているとの認識を示した。
バルニエ氏は「合意なき離脱が回避されることを今も望んでいるが、現在は合意なき離脱に備えることがこれまでになく重要になっている」と述べた。
英国にとってもう1つの選択肢は、メイ首相がEUからさらなる譲歩を引き出し、保守党内の抵抗勢力や閣外協力する北アイルランドの地域政党を翻意させることだ。
英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドとの国境の厳しい管理を阻止するためのバックストップ(安全策)についてEUから譲歩を引き出せれば、これが可能になるとの指摘が一部にある。
保守党のジェイコブ・リースモグ議員は「受け入れ可能な修正合意案を期待できるのは良いニュースだが、まだそのような案がないため、それが出てくるまでは私のような議員は反対票を投じる」と述べた。
議会は29日にメイ首相の代替案と他の議員が提出した修正案を採決する見通しで、事態の打開に道を開く可能性がある。
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