「ハウス・オブ・カード」の米俳優ケビン・スペイシー、7日に出廷へ──セクハラ、性的暴行疑惑とアーティストの関係とは
BBCは、ギルの作品を外壁から取り外す予定はないようだ。イギリス各地の教会や美術館に置かれているギルの作品を撤去するべきという声も、今のところ静まっている。自伝で暴露された衝撃的な事実があっても、作品は作品として評価し、そのままにしておくという方針が採用されたことになる。
事実が発覚した時にジルはすでに亡くなっていた一方で、ワインスタイン、スペイシー、アレンの場合は疑惑が現在進行中だ。それでも、ワインスタイン事件をきっかけに始まった、性的被害にあった女性や男性たちが声を上げる「#MeToo運動」では、今年、疑惑をかけられた側の処遇はどうあるべきかについても、議論が深まってゆきそうだ。
[執筆者]
小林恭子(在英ジャーナリスト)
英国、欧州のメディア状況、社会・経済・政治事情を各種媒体に寄稿中。新刊『英国公文書の世界史』(中公新書ラクレ)、『フィナンシャル・タイムズの実力』(洋泉社)、『英国メディア史』(中央公論新社)、『日本人が知らないウィキリークス(新書)』(共著、洋泉社)
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