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中国経済中国、地方政府の7割が成長目標引き下げ 内需低迷や米中貿易戦争で悲観論強まる
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中国の地方政府の発表によると、同国では31省・直轄市・自治区のうち、少なくとも23省・市・自治区が今年の域内総生産(GDP)伸び率目標を昨年の目標から引き下げた。写真は北京で2016年2月撮影(2019年 ロイター/Damir Sagolj)
中国の地方政府の発表によると、同国では31省・直轄市・自治区のうち、少なくとも23省・市・自治区が今年の域内総生産(GDP)伸び率目標を昨年の目標から引き下げた。
内需低迷や米中貿易戦争で地方政府の間に悲観的な見方が広がっていることが浮き彫りとなった。
昨年、成長率目標を引き下げていたのは17省・直轄市・自治区だった。
GDPで国内3位の山東省は、現時点で今年の目標を発表していない。
四川省、河北省、貴州省、甘粛省、海南省の5省は成長率目標を据え置いた。昨年、目標を据え置いたのは12省だった。
成長率目標を引き上げたのは湖北省のみ。ハイテク産業の拡大が期待できるとしている。
今年の中国のGDP伸び率は、昨年から鈍化するとみられており、地方政府の目標引き下げは、市場の見方に沿ったものとなった。
OCBC銀行(シンガポール)のエコノミスト、トミー・シエ氏は「各省の新たな目標は中国が直面している課題を反映している。輸出主導型の沿海部は米中貿易戦争に起因する不透明感から成長率低下のリスクに直面している」と指摘。中国西部は消費とサービスが拡大しているため、引き続き経済成長の主要なけん引役になるとした。
また、省・地域の成長目標引き下げは、中国政府が今年の成長率目標を低めに設定することを暗示しているとし、恐らく6─6.5%のレンジになるとの見通しを示した。
昨年は、北京市、上海市、浙江省、河南省、四川省、河北省、湖北省など15省・直轄市・自治区が、成長目標を達成もしくは上回った。
ほぼ同数の省・直轄市・自治区は目標を下回った。このうち、内モンゴル自治区、天津市、海南省、黒竜江省、吉林省、新疆ウイグル自治区などは、目標を少なくとも1%ポイント下回った。
対米貿易摩擦を受け、広東、江蘇、福建といった輸出主導型の省は成長目標に届かなかった。
上海にある長江養老保険の首席エコノミストは「輸出の影響を受けやすい中国南部の一部の省に対しては、今年は貿易戦争がさらなる打撃を与える可能性がある」との見方を示した。
目標を最も大きく下回ったのは重慶市で、目標を2.5%ポイント下回った。重慶市は中国のGDPの2.3%を占めるが、当局者によると、産業の再編が進んでいることが重しとなった。
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