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年代別「悩みのタネ」から見えてくる、日本社会の大きな偏り

2018年12月19日(水)16時15分
舞田敏彦(教育社会学者)

女性に限ると、育児・家事・教育の悩みの比重が男性よりもずっと多くなる。家族の病気・介護の悩みも同じだ。これらの悩みがある人の実数を比べると分かりやすい。<図2>は、それをグラフにしたものだ。

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家族関連の4つの悩みだが、どれも男性より女性ではるかに多くなっている。子育てのさなかの30代後半で「女性/男性」の倍率をとると、育児は6.5倍、家事は10.8倍、子どもの教育は4.0倍、家族の病気・介護は1.9倍となる。これらの負担が女性に偏っていることの証左でもある。40代後半女性では、子どもの教育と家族の介護の悩みが共に多く、「育児+介護」のダブルケアに疲弊していることもうかがえる。男性の家事分担、家族ケアの外部化が進んでいる欧米諸国では、ここまでいびつな結果にはならないのではないか。

われわれは今、激変の時代にいる。社会が変わっても、制度がそれに見合う形に変化するまでは一定の時間がかかる。このタイムラグの時期(過渡期)に、危機や困難は噴出する。<図2>に示される結果は、女性の社会進出が進んでいるにもかかわらず、子育て支援が不足している(保育所の不足など)現実だ。元号が変わる来年が、こうした問題が解消される元年になることを願いたい。

<資料:厚労省『国民生活基礎調査』2016年

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