ドイツ与党党首選、メルケル首相の「子飼いvs.宿敵」の対決
クランプカレンバウアー氏は、CDUがAfDの躍進を座視しているというコメントは、AfDとの対決に必死になっている党員への「侮辱」だと非難するとともに、何かを決めたり言っただけでAfDに勝ったようにふるまいのは愚かだと付け加えた。
何よりも、「ミニ・メルケル」とも呼ばれるクランプカレンバウアー氏は、州の選挙でCDUを勝利に導き、緑の党や企業寄りの自由民主党との幅広い連立政権樹立にこぎ着けた。ドイツでは単独過半数議席を獲得する政党が存在しない場合、3党連立がより一般的になる可能性がある以上、同氏のこうした実績は党首選の追い風になってもおかしくない。
CDU大会の代議員のほとんどは議員や首長など現実主義的な考えを持つ人であることも、クランプカレンバウアー氏にはプラスになる。
これに対してメルツ氏は、代議員の約3割に相当する296人が自らの地盤のノルトライン・ウェストファーレン州出身という点は有利な材料だ。
デュッセルドルフの討論会に参加したCDU党員の1人は「私はメルツ氏に投票する。なぜなら彼はさまざまな問題に明白に対処してくれているからだ」と語った。
別の党員も「クランプカレンバウアー氏には経験があるが、メルケル政権の中にいる人物だ。私の考えでは、今は刷新の時期であり、変化が求められている」と述べた。
[デュッセルドルフ(ドイツ) 30日 ロイター]
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