「モアイ像返して」イースター島知事が涙で訴え
今回、代表団の大英博物館との会談に先立ち8月、イースター島のペドロ・エドマンズ市長は大英博物館に宛てて手紙を送っていた。そこで、博物館側がイースター島の代表団を招き、話し合いが実現したのだった。ガーディアンによると、大英博物館側はモアイ像を「通常の条件に従い貸し出す」ことは考慮するが、「返却」はしないとの意向を示しているという。
大英博物館には現在、800万点の品々が展示されている。中にはこのモアイ像のように、現地から勝手に持ち出されたものが所蔵品となり、返還を求める議論に発展しているものも少なくない。例えばギリシャが繰り返し返還を求めている古代ギリシャの彫刻エルギン・マーブルや、現在のナイジェリアから持ち去られたベニン王国時代の飾り板などがある。
ベニン王国の飾り板については、大英博物館側がこのほど、ナイジェリア側に「貸与」することで合意したとCNNどで報じられている。しかし今年6月にナイジェリア側が完全な返還ではなく貸与で合意する可能性が浮上した際、英テレグラフ紙は、類似の返還要求に対する前例を作る恐れがあると指摘していた。そのため今回のベニン王国の飾り板をめぐる決定は、モアイ像の今後の扱いに影響を与えることになる可能性が高い。
Easter Island asks London museum to return its 'stolen' statue | Al Jazeera English