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米ロ関係トランプ、G20での米ロ首脳会談を急きょ中止 ウクライナ情勢受け
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11月29日、トランプ米大統領は今週末開催される20カ国・地域(G20)首脳会議の合間に予定していたロシアのプーチン大統領との会談を中止すると発表した(2018年 ロイター/JONATHAN ERNST)
トランプ米大統領は29日、今週末開催される20カ国・地域(G20)首脳会議の合間に予定していたロシアのプーチン大統領との会談を急きょ中止すると発表した。ロシアのウクライナ艦船拿捕(だほ)問題を理由に挙げた。
会談中止は、2016年大統領選でのトランプ陣営とロシアのつながりを巡る捜査が深まる中での決定となった。
トランプ大統領はツイッターへの投稿で「ウクライナの艦船と船員がロシアから帰還していないという状況を踏まえ、予定していたアルゼンチンでのプーチン大統領との会談を中止することが最善と判断した。問題が解決した段階で、意義ある首脳会談を開催できることを楽しみにしている!」と述べた。
トランプ大統領はこれに先立ち、プーチン大統領と会談する可能性を示唆。当初記者団に対し、プーチン氏とはおそらく会談するとし「会談するのにとてもよい時期だ」などと話していた。それから約1時間後、G20が開催されるアルゼンチンに向かう大統領専用機(エアフォース・ワン)の中でツイートし、会談取り止めを表明した。
サンダース報道官は、トランプ大統領がポンペオ国務長官やケリー首席補佐官、ボルトン補佐官と会話した後、会談中止を決定したと明らかにした。
ロシア政府は会談中止のニュースを報道で知ったもようだ。
同国のペスコフ報道官はRIA通信に対し、トランプ大統領の決定を遺憾とした上で、ロシア側はトランプ氏と接触する用意があると述べた。また「会談中止は重要な国際問題を巡る協議が無期限に延期されることを意味する」と述べた。
この日は、トランプ氏の元個人弁護士マイケル・コーエン被告が、トランプ財団のモスクワ不動産事業を巡り議会で虚偽の証言を行った罪を認めた。
こうしたタイミングでトランプ大統領がプーチン氏と会談を行えば、ホワイトハウスに対する批判が強まる可能性があった。
トランプ大統領はまた、G20首脳会議の合間にサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談する意向はあるものの、スケジュールが許さないと述べた。
*内容を追加しました。
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