アメリカ中間選挙、民主党は下院を奪還できるか
●予備選の投票率:民主党は85%に上昇
今年行われた予備選挙の投票率は、4年前と比べ、共和党も民主党も上昇した。だが多くの州で、上昇率は民主党が共和党を上回っており、11月の中間選挙に向けて民主党の方が盛り上がっていることを示唆している。
2018年と2014年の州知事予備選で両党が少なくとも2人の候補を出した15選挙区のうち12カ所で、民主党の投票率の伸びが共和党のそれを上回った。
5選挙区では、民主党の投票率は2倍以上に伸びた。
民主党と比べて、共和党の投票率の伸びは控えめだった。全体として、両党が予備選で競い合った選挙区では、共和党の投票率は平均34%上昇、民主党のそれは85%に急上昇した。
●小口献金:民主党は2倍
民主党支持者は政治献金にも積極的だ。
民主党の下院議員候補は、1人当たり約7万ドル(約800万円)を小口献金によって得ている。小口献金は有権者の熱狂度をはかる良い指標となっており、民主党候補が得る献金額は共和党候補の約2倍となっている。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによる2016年調査によると、選挙で毎回、あるいはほぼ毎回投票すると答えた人のうち、21%は献金も行っていると回答。一方、ほとんど投票に行かないと答えた人で、献金していると回答した人はわずか4%だった。
民主党が得た小口献金の総額も、2014年の同時期と比べ、70%近く増加している。
●まだ中間選挙まで1カ月以上
共和党は、9月時点での選挙予想をさほど心配しなくてよい理由を探すには、2016年の大統領選挙を振り返りさえすればよい。
同大統領選では、有権者の8人に1人が選挙が行われる週に決断しており、そうした人の大多数がトランプ氏を選んでいた。
多くの下院選挙区で、同じことが再び起きる可能性を示す証拠がいくつかある。ロイター/イプソスの9月調査によると、有権者の5人に1人程度が、選挙日にどう投票するか、それとも投票しないか、まだ分からないと答えた。
もし10月に彼らのうち十分な数が決断するか、あるいは心変わりして共和党候補を支持するのであれば、「青の波」が起きる可能性は完全に消滅するかもしれない。
(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
