米中間選挙、16年にトランプが勝利した「ラストベルト」五大湖周辺州で民主党が優勢
10月22日、11月の米中間選挙では、トランプ米大統領が2016年の大統領選で勝利した「ラストベルト(さびついた工業地帯)」と呼ばれる五大湖周辺地域で民主党が優勢となっている。写真はオハイオ州知事選の民主党候補リチャード・コードレイ氏。同州クリーブランドで2012年1月撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)
11月の米中間選挙では、トランプ米大統領が2016年の大統領選で勝利した「ラストベルト(さびついた工業地帯)」と呼ばれる五大湖周辺地域で民主党が優勢となっている。複数の世論調査で明らかになった。
オハイオ州知事選の民主党候補リチャード・コードレイ氏は先週、同州のトレドで選挙演説を行った。コードレイ氏は、リベラルな「進歩的大衆主義者(progressive populist)」だと指摘されることが多いが、労働者階級の人が多いトレドのダウンタウンで主に黒人の有権者を前に「オハイオ州をより良くする。国をより良くする」と訴え、2018年の中間選挙は2020年の大統領選につながると強調した。
今月公表されたサフォーク大学の世論調査では、コードレイ氏の支持率は共和党のマイク・デウィン氏を6ポイントリードしている。ただ、他の世論調査では五分五分との結果が出ている。
オハイオ州では、民主党のシェロッド・ブラウン上院議員がトランプ大統領が支持するジム・レナッチ下院議員から上院議員ポストを守ると予想されている。
五大湖周辺地域の他の州でも、民主党候補が共和党候補をリードしているか、もしくは、コードレイ氏のように、予想外に健闘している。
民主党がこの地域で優勢となっている理由は複雑だと党関係者やアナリストは指摘する。中間選挙でみられる歴史的な傾向や、著名な民主党候補に対して比較的弱い共和党候補が対戦していること、民主党有権者間の熱狂、ヘルスケアなどの問題を巡る懸念の高まり、トランプ氏に対する拒否反応などが背景にあるとみられる。
民主党ストラテジスト、ジョー・ゼペキ氏は「人々は、トランプ氏にうんざりしている」と指摘。「いつもトランプ氏のショーだ。これは共和党候補の助けにはなっていない」との見方を示した。
一方、共和党関係者は、トランプ氏の名前が投票用紙にないことが問題だと指摘する。有権者は、トランプ氏と同じ政党という理由だけでは、共和党に投票することはしないと説明した。