サウジアラビア、国営石油会社の上場中止 サルマン国王が反対
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8月27日、関係筋によると、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)が中止された背景にはサルマン国王の反対があったもようだ。写真は国王が描かれたポスター。リヤド郊外で2月撮影(2018年 ロイター/Faisal Al Nasser)
サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)が中止された背景にはサルマン国王の反対があったもようだ。同国の政府関係者に近い複数の関係筋がロイターに明らかにした。
関係者の1人によると、6月半ばまでのラマダン(断食月)の期間中、国王はアラムコIPOを巡り、王族、銀行関係者、アラムコの元トップなどの石油業界幹部らと会談。その後に、IPO中止を決めた。
会談の参加者は国王に対し、アラムコ上場はサウジアラビアを助けるどころか、打撃を与えると説明。参加者の主な懸念は、上場によってアラムコの詳細な財務情報がすべて公開されることだったという。
複数の関係筋によると、国王は6月下旬、行政機関に書簡を送り、IPOの中止を指示した。関係者の1人は、「国王が『ノー』と言えば、絶対に決定が覆ることはない」とし、国王の決定が最終的なものだったと語った。
ロイターは先週、関係筋の話として、アラムコが国内、海外ともにIPOの中止を決めたと報道。一方、サウジ政府のファリハ・エネルギー相は政府はIPOの実施に引き続きコミットしていると述べ、中止報道を否定した。別の政府高官も、政府は適切な時期でのIPO実施に向けて準備を進めていると語った。